別の診療科に興味が湧いてきた…
思い切って転科したい…
研修医の期間を終えて医局に入局した後、他の診療科に興味が湧いてしまったら転科はできるのでしょうか?
結論から言うと、医師の転科は可能です!
ただし、一度診療科を決めて医局に入局してからの変更は、リスクが0とは言い切れません。
転科をするにあたって、失敗や後悔をしたくない人はぜひ、この記事を参考にしてみてくださいね。
転科について悩んでいる人は必見の内容です!
\転科しても後悔しないようにしよう/
医師が転科を希望する割合は?
実際、転科を希望する医師の割合はどのくらいなのでしょうか。
全国の20床以上の病院に勤めている24歳以上の医師を対象にしたアンケート調査では、以下の数値が報告されています。
将来的にどのような働き方をしたいか(n=3,467)
「別の診療科(病院は同じ)に異動したい」は0.5%、「別の病院の、別の診療科に異動したい」は1.8%となっており、両者を合わせても診療科を変えたいと考えている者は2.3%となっている。
全体で1割にも満たない少数ではありますが、転科を希望する医師はいます。
ちなみにこの調査で「医師として非常勤として勤務したい」と答えた医師は7.8%、「診療を辞めたい」と答えた医師は3.4%でした。
医師が転科をしたい理由は?5つ紹介!
医師が転科を考える時の理由を5つご紹介します。
思い当たる理由はありましたか?
1つずつ解説していきます!
診療科としての働き方がきつくドロップアウトしたい
診療科としての働き方がきついと感じて、ドロップアウトしたいと考える医師がいます。
診療科にも寄りますが、月8回以上の当直が当たり前・ほぼ毎日オンコールの状態の診療科も。
緊急が多い循環器内科や心臓外科など、一刻を争う診療科は常に私生活が制限された状態になります。
意欲を持って選んだ診療科であっても、その働き方を一生続けていくか悩んで挫折する人が多いのが現状です。
例えば外科医は50代前半までの求人しかありません。
体力に限界を感じた時、キャリアチェンジがしたくても、働ける病院がないかもしれないのです。
そうなる前の段階で、ライフスタイルに合った診療科への転科を目指す医師もいます。
今の科に興味がない・やりたい分野ではない
今の科に興味がない・やりたい分野ではない場合も、転科を考える理由になります。
初期研修のローテーション時に楽しかったから、先輩に誘われたから、など、なんとなく診療科を選んでしまうケースもあるでしょう。
しかし、肝心の診療分野への興味が持てず、入った後に「思っていたのと違った」と感じて後悔することも。
思ったよりも分野に興味が湧かなかった・やりたい分野ではなかった、というのも、転科を考える理由の1つです。
開業や独立を視野に入れたい
開業や独立を視野に入れた時も、転科を考える理由です。
自分の興味のある分野や、やりがいを求めて診療科を決めることもあるでしょう。
しかし、年齢を重ねるにつれて「開業したい」と考えるようになるかもしれません。
ただ、診療科によっては開業がしにくいこともあります。
例えば一般的に外科系の診療科は独立しにくいです。
チームで働くことになるので、オペをしながらの開業は難しくなります。
開業に向けて外来もしなければならないとなると、「内科の経験を積みたいな」と考えるようになります。
別の診療科に興味が湧いた
純粋に別の診療科に興味が湧いた場合も、転科を検討します。
働いてるうちに他の科に興味が出ることもあるでしょう。
診療していく中で他科と関わった時や、研修でお世話になった時など、興味のある分野が移ることもあるはずです。
例えば1ヶ月だけ麻酔科から小児科に研修に行き、面白みややりがいがあると感じたら転科することも。
自分がやりたいと思える科であれば、多くは転科してもうまくいきます。
人間関係に嫌気が刺したり医局を辞めたくなった
人間関係に悩んで医局を辞めたくなったケースも、転科を考えるかもしれません。
同じ診療科に長く居れば、医局の人間関係に嫌気が刺してしまうことがあります。
同じ医局内にいる限りはどうしても接触を避けられないでしょう。
医師の世界は狭いので、同じ診療科にいる限り、どこの病院で働いていたとしても、嫌な人と関わらざるを得ません。
同じ診療科で別の医局へ入ることはかなり珍しい例です。
暗黙の了解ですが、基本的にはできません。
それならば働きやすい診療科に思い切って転科をし、人間関係を一掃したいと考える人もいます。
医師が転科しやすい診療科ランキング【TOP10】
医師が転科しやすい診療科TOP10をご紹介します。
気になる転科先はありましたか?
1つずつご紹介していきます!
美容皮膚科
美容皮膚科は手技も少なく、診察とカウンセリングがメインになります。
求人数も多く、転職の窓口としても入りやすい診療科です。
キレイな職場で近年は人気も高く、転科先としておすすめ。
転科先に選ぶ人も多いので、受け入れられやすい領域でもあります。
訪問診療科
近年、在宅で治療を受けたい患者さんの需要が高まっています。
患者さんに寄り添った医療ができるっていうところも含めて、やりがいも感じられる領域です。
在宅診療科の医師も不足しているので活躍できます。
精神科
転科先として精神科を選ぶ人もたくさんいます。
カウンセリングと投薬で治療をしていく診療科なので、当然手技やスキルは必要ありません。
転科しやすく、開業もしやすい、そして患者さんにも寄り添うことができる、おすすめの診療科です。
美容整形外科
美容整形外科は美容皮膚科に比べて、手技が必要になってきます。
ただし、手技を学んだとしても高年収が見込める診療科です。
こちらも、転職先としての間口が広くなっています。
眼科
眼科はマイナー科の中でも人気が高く、独り立ちできるまでの期間が早い診療科です。
手技は必要になりますが、比較的身に着けやすいものです。
開業もしやすい転科先になります。
皮膚科
美容皮膚科や美容外科の方が人気ですが、皮膚科も転科先としておすすめです。
手技・スキルは必要なく、緊急もありません。
開業しやすく、女性医師も多い診療科です。
麻酔科
患者さんと接することが少ないため、外来をしたくない人や人間関係が苦手な人が転科先として選びやすい科です。
基本は予定されたオペに入るのでスケジュールが組みやすい特徴があります。
また、オペさえ終われば病棟患者が居ないため早く帰れる診療科です。
オンオフがはっきりとつけやすいので、転科する人も多くいます。
一般内科
開業を見据えて「一般内科も学んで総合的な診療を可能にしたい」と、外科や血液内科からの転科が多い科です。
転科というよりも、どちらも身に着けておくという考え方がなされます。
開業を意識した時、一般内科も診れるようにするために、外来にも出て診察していきます。
緩和ケア科
在宅緩和ケアや終末期治療への需要が高まってきています。
最期まで自分らしい生き方をすることのお手伝いができるのでやりがいも多い科です。
元の診療領域に関わらず、おすすめの転科先です。
リハビリテーション科
整形外科や脳外科からの転科が多い診療科です。
どちらとも、治療後にリハ科に患者さんを送るので、元々関わっていた領域にです。
少しゆとりを持って働きたいと感じたら、元々接していた部分が多いため、転科先として選びやすい科です。
医師が転科をしたい時どうする?転科の手順5ステップで解説!
実際に転科をしたいと考えた時はどうすれば良いのでしょうか。
転科する医師は少数派です。
マニュアルのような情報もあまり出回りません。
ここで転科のための手順をしっかり確認しておきましょう。
1つずつ確認していきます!
どの診療科が自分に合ってる?転科先を決める!
まず、自分にはどんな診療科が合っているか、どの転科先でキャリアを積むのかを考えましょう。
転科は医師人生を揺るがす大きな決断です。
だからこそ、後悔のないようにじっくり考えることが不可欠。
なぜ転科したいのか、今の自分の状況を見つめなおしても良いかもしれません。
特に、「今の診療科が合っていない」と考える人は、どこの診療科なら自分に合うのか、十分に検討する必要があります。
転科前に検討すべきこと
- 今の働き方が本当に合っていないのか
- 将来どうなりたいか・どう働きたいのか
- 開業したいのか・開業は可能な科か
- 希望の勤務地での需要はあるか
- 今後の体力的に耐えられるのか
- 行きたい転科先のメリット・デメリット
- 転科先が学問として楽しいのか
- 新しい領域を0から学ぶ覚悟はあるか
- 収入は十分得られるか
- 人手は十分ある科か、足りない科なのか
状況を整理すると、本当に転科が必要なのかが見えてきます。
もしかしたら、転科以外の選択肢も見つかるかもしれません。
後から「失敗した…」と感じないよう、しっかり自分と向き合って考えましょう。
転科した上で働かせてもらえる病院を探す
転科をした上で受け入れてもらえる病院があるのか、探しておきましょう。
転科をするとその診療科では未経験かつ一番下っ端の医師になります。
なおかつ、年齢は少し上。
この状態の医師を受け入れてくれる病院はあるのでしょうか?
教育・指導してくれる病院はあるのでしょうか?
転科を決める前に探しておく必要があります。
ただし、医師が未経験の状態から臨床を積ませてくれる病院を探すのは非常に困難です。
その場合は医師転職サービスに相談すると良いでしょう。
転職支援サービスなら転科の医師であっても受け入れ可能な病院を紹介してくれます。
実は、転職サイトの登録は「転科すると決めてから」と思っている人は間違いです。
0から学びなおすことになるので、転科するならば当然早い方が良いはず。
転職サイトは「転科するかどうか迷っている段階」で登録を済ませておきましょう。
転科を決断した後の行動が、素早くスムーズに開始できます。
専門医を取得するのか転科後のキャリアを考える
転科後に専門医の取得を目指すか、どのようなキャリアを積んでいくのかを考えておきましょう。
専門医を取得するのか、それとも資格取得はせずに臨床スキルのみ磨くのかで、その後の働き方は大きく変わってきます。
専門医を取得する場合は、専門医プログラムのある病院に入らなければなりません。
専門医の養成について
〇専門医の養成は、第三者機関に認定された養成プログラムに基づき、大学病院等の基幹病院と地域の協力病院等(診療所を含む)が病院群を構成して実施。
※ 研修施設は、必要に応じて都道府県(地域医療支援センター等)と連携。
(中略)
研修期間は、例えば3年間を基本とし、各領域の実情に応じ設定。
専門医プログラムを持つのは基幹病院です。
大学病院やその関連病院が多く、医局に入る選択も検討する必要があります。
35歳で転科したとして、20代の若い世代とともに頑張って専門医を取得するのか。
それとも資格にこだわらずに、診療だけ行うのか。
事前に考えて決めておかなければなりません。
必要に応じて新しいスキルを磨く
必要に応じて新しいスキルを磨きましょう。
転科先へ配属されたら、いよいよその科の一員として働き始めます。
勤務先が変わっただけでも、新しい環境に慣れるまでは時間がかかりますよね。
さらに、転科したとなると、これまでの経験が通用しないことも。
積み上げてきたキャリアが0になり、転科先の専門知識を1から学ぶことになります。
また、指導医が自分より年下の医師になることもあるでしょう。
それでも転科先では自分が一番の新人です。
入職後は相当の勉強と努力が必要になることは言うまでもありません。
ストレートで入ってきた医師に比べて年齢でも経験でも遅れをとっている分、スキルアップに尽力しましょう!
転科をしても転科前、転科先に礼儀正しい姿勢を忘れない
転科をしても、転科前・転科後の科へも謙虚な姿勢を忘れないようにしましょう。
もしかしたら、転科前の科に不満があって転科を決めたのかもしれません。
しかし、例えそういった状況であっても、労力をかけて育ててくれた診療科です。
転科前の科のことを悪く思うことは辞め、お世話になった感謝の気持ちを忘れないようにしましょう。
また、転科してきた医師の方がキャリアが上であれば、正直扱いに困り、やりにくさを感じられることがあります。
それでもこれからの活躍に期待し受け入れてくれた科です。
指導を受ける際は謙虚な姿勢で臨みましょう。
両科への恩を忘れず医師としての任務を全うしよう。
医師が転科をするなら?失敗しないために病院を探しておこう!
医師が転科する時は、時間や労力がかかる分、失敗しないためにも受け入れ先の病院を探しておきましょう。
転科後の転職先を探すためにも、まずは転職サイトに登録しておくべきです。
おすすめの転職サイトをご紹介します!
医師転職ドットコム
なんといってもおすすめは医師転職ドットコムです。
その理由は求人数がダントツ多いから。
常に3万件以上の求人と1万件以上の非公開求人を持っています。
エージェントさんの質も高く、とても親身になって相談にのってくれます。
ここだけの話、他の転職サイトでは断られてしまうような相談にも親身になってのってくれます。
相当難しい条件の転職や相当医局をやめにくい状況でも大変頼りになりますよ。
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登録すれば医師賠償責任保険も入れるので、「うっかり保険に入り忘れた!」も防げます!
\ 医師賠償責任保険も入れて安心 /
医師の転科は可能!後悔しないために十分考えてから転科しよう!
医師の転科についてご紹介しました。
- 医師の転科は可能!
- 失敗しないために5つのステップを踏む
- 迷ったら転職サイトに登録して情報を集める
医師が転科をすることは、医師人生をかける大きな決断です。
しかし、後悔することのないよう、事前の検討は十分に行う必要があります。
転科することで、今後のあなたの人生が好転しますように。
応援しています。