医局を辞めると後悔する？後悔した理由10つと失敗しないコツ！

医局を辞めて正解だったと言う医師は年々増加しています。

それくらい医局で働き続けることは辛いことも多く、医師の中では悩みの種なのです…

一方、「だからこそ医局を辞めたら後悔したくない！」と思う気持ちもあるでしょう。

後悔しないための対策が分かれば「医局を辞めて良かった！」と将来に自信を持てます。

＼退局しても後悔しないようにしよう／

医局を辞めて後悔した理由10つ

医局を辞めて後悔したと感じた医師はどんな理由があったのでしょうか。

この理由10個に当てはまる場合は、医局を辞めるとき注意した方が良いでしょう。

【理由1】将来に漠然とした不安を感じた

将来に漠然と不安を感じる医師は多いです。

医局に属している間は医局人事があるので何もしなくても勤務先が決まりますが、医局を出たら就職先を決めてくれる人はいないので、自力で探さなくてはならないからです。

例えば「循環器症例の充実した病院で働きたい」と思っていた場合、医局に入れば「循環器の病院にしてください！」と言えと希望が伝えられます。

それに対し、医局を辞めていると自分で探したり、アプローチしたり、就職活動をする必要があります。

自力で病院を見つけられるだろうか、この先安泰で働けるだろうか、と不安に感じる医師は多いのです。

【理由2】転職先が思っていた環境と違った

環境を変えたくて医局を辞めたのに、転職先で同じ問題にぶち当たるのは「退局あるある」です。

例えば「粘着質な医局長が嫌で退局したのに、転職先の病院の院長はもっとネチネチしていた」といった事例もあります。

転職先の病院の職場環境が思っていたのと違っていると気づいた瞬間、「医局を辞めるんじゃなかった…」と後悔するでしょう。

転職前に次の病院をよく調べて、怖い部長はいないか、退職者は多くないか調べておくのがおすすめです。

【理由3】医局を辞める時に上層部と揉めた

医局を辞めるときに、医局長や教授たちと揉めると後悔する原因になります。

なぜなら医局を出て、どの病院で働いても、医師の世界は狭く、医局員と鉢合わせる可能性が高いからです。

円満に退局をするために、悪口を言わないように気をつけましょう。

特に揉めやすいのは退局する理由。「医局人事が嫌だった」「上層部の方針に違和感を持っていた」とマイナスの理由は避けた方が無難です。

言いにくい場合、医局長や教授に「家庭の事情」と伝えるのがおすすめです。

子供の教育や親の介護など致し方ない理由で医局を辞めるのであれば、円満に済むことが多いでしょう。

【理由4】新しい病院でやりたいことができなかった

退局して新しい病院に就職したものの、やりたい医療ができないこと後悔する可能性が高いです。

医師は患者さんの命を救うために充実した設備で医療をしたいと考えます。

しかし転職先の病院が小規模の場合、医療機器が不十分なことは珍しくなく、想像以上にストレスとなります。

医局の関連病院なら、病床数の多い総合病院で、設備や医療機器が充実していて、医師数が多く、さまざまな症例に携われることが多いでしょう。

医局を辞めてでもやりたい医療ができるのかどうか、考えておくのがおすすめです。

【理由5】給料が下がった

医局を辞めてお給料が下がることは、正直まれにあります。

例えば、採用面接で病院長が「年収1,500万円でよろしく！」と言えば、1,500万円もらえると思いますよね。

しかし実際は「当直、残業、オンコールの各手当を含めて年収1,500万円」となっており、思っていた以上に当直回数が減れば1,500万円より少なくなります。

転職活動では年収の額だけでなく、年収の条件も確認しておくと後悔しません。

【理由6】資格の取得ができなかった

転職先の病院で資格の取得ができないと後悔するケースがあります。

30代になっても認定医も専門医も持っていなかったら恥ずかしい、と思っている人は要注意です。

認定施設ではない病院に転職してしまうと、何年働いても認定医・専門医は取れない上、同期との差は開くばかり。

大学病院はもちろん、医局の関連病院も認定施設が多いので、早く認定医・専門医を取りたい医師は医局にいた方が無難です。

認定医・専門医を取ってから退局するか、認定施設を調べて転職する後悔しませんよ。

【理由7】資格の維持ができなくなった

認定医・専門医は永久資格ではなく、更新が必要です。そのため退局してしまうと資格を維持しにくくなる可能性があります。

更新には条件があり、「症例を何件こなさなければいけない」とか、「学会発表しなければならない」とか、「論文を投稿しないとならない」といった厳しい条件が課されることも。

医局に所属していれば問題なくクリアできる条件でも、フリーランスで働いていると日常業務と雑事に追われて時間を作れなくなることも考えられます。

認定医・専門医を維持したい医師は、更新も視野にいれて病院を移った方が良いです。

【理由8】医局員と話が合わなくなった

医局を辞めた後、元いた医局の医局員と話が合わなくなると後悔することもあるでしょう。

例えば医局にいた場合、論文がNEJMに投稿されたとか今年度からガイドラインが改定されたとか、最新の情報が自然と会話に出ます。

だからこそ日常会話の中で学ぶことができるし、その会話が楽しいと感じることも。

同じ視座で医局員と話ができるのは貴重な機会なのです。

「医局の仲間と医療について熱く語り合いたい」と思っている人は医局に居続けたほうがいいかもしれません。

【理由9】医師が少なくてさみしく感じた

退局してフリーランスになり、就職した病院が小規模だと、医師の数が少なくさみしく感じるかもしれません。

思っている以上に、医師は医師と語り合いたいものです。

しかし小規模病院に転職してしまうと医師数が少ないので、医師は看護師やコメディカルと話すことが増えてしまいます。

医師数が少ないと「切磋琢磨できない」と感じる医師もいるでしょう。

転職希望先の病院を調べるときは、医師数も確認してみると良いですよ。

【理由10】臨床研究や論文執筆ができなくなった

臨床研究や論文執筆を積極的に行いたい場合は退局して後悔する可能性があるでしょう。

研究や論文は医師の知的欲求を満たす貴重な機会であり、医局にいた方が接する機会が多いからです。

「もっと研究がしたい、論文を投稿したい！」と思う医師は医局に残る方が仕事をしやすいかもしれません。

ただし、退局をしても病床数の多い総合病院や癌研、感染症センターに就職すれば研究のチャンスは巡ってきます。

転職サイトのエージェントに頼むと、医局系列でない病院でありながら、臨床研究や論文執筆ができる病院も探してくれるので一度聞いてみることをおすすめします。

医局を辞めて後悔しない！辞めて良かった【5つのメリット】

医局を辞めて後悔せず、良かった！と感じる医師も多いです。では具体的にどういった点にメリットを感じたのでしょうか。

医局人事を免れて自由に働けるようになった

医局を辞めて一番大きいメリットは医局人事に振り回されずに済むことです。

医局人事とは、医局に所属する医師（医局員）が関連病院へ異動すること。中には地方へ飛ばされたり、遠方の病院へ赴任するように言われることもあります。

医局を辞めると地方へ飛ばされる指令はなくなる上、自分で勤務先を選べるので自由に働けるようになります。面倒な引っ越しもする必要はありません。

退局することで、医局人事に怯えずに済んだ、ホッとしたという医師が多いのです。

面倒な付き合いが減った

医局にいると勉強会や研修会、説明会に出席しなければなりません。それらの出席は半強制で、断ることは難しいです。

他にも研修医の勧誘や上級医の飲み会、忘年会や歓迎会もめんどくさいと感じる医師は結構います。

中には朝まで付き合わされた、今年こそ研修医を勧誘してこいと言われた…という医師も。

不本意で面倒な付き合いから解放されることは、退局する大きなメリットです。

給料が上がった

医局を辞めてフリーランスになって病院に就職すると、かなりの高い確率で給料は上がります。

正直、1.2倍〜1.3倍は当たり前で、2倍も狙える可能性があります。むしろ大学病院や関連病院の給料が低すぎる、といえるでしょう。

大学病院の中にはほとんど無給で働かなくてはいけない環境すらあります。

退局すれば、転職サイトからお給料・年収の高い病院を探せます。

もちろんお金が全てではないですが、お給料はやる気に直結するものなので退局して良かった！と感じる医師は多いです。

時間外労働が減った

時間外労働が減るのも大きなメリットです。

医局員に課せられる無駄な残業は、医局の悪しき習慣の一つ。

上の先生が帰るまで帰れない、下の学年は残ってでも学んでいくもの、のような帰り辛い雰囲気も漂っています。

医局を抜ければ、不本意な残業を強いられたり、休日に出勤しなければならない雰囲気からも逃れられます。

オンオフがはっきりできるようになった

医局を出るとまず「こんなにもオンオフをはっきりできるんだ！」と感じるでしょう。

医局員は常に、研究しろ、論文を書け、症例をこなせ、下に指導しろ！といったプレッシャーにさらされています。

仕事に追われるせいで休みの日ですら「週明けのカンファレンスの内容大丈夫かな…」とか、「カルテ記載に漏れはなかったっけ…」と考えてしまうので、頭の中が完全にオフになることはとても少ないです。

一方、医局を辞めると研究！論文！のような圧力は消え、余裕ができるので自分の仕事に専念できます。

仕事中だけオン、仕事が終われば完全オフ！となれるのは医局を辞めた大きなメリットです。

医局を辞めて後悔しないために！円満のポイント3つ

医局を辞める時、医局長や教授、医局員とはできるだけ揉めない方が良いでしょう。

医師の世界は狭く、医局を出てからも常に評判がまわりやすいからです。

医師の世界は狭いことを忘れず！礼儀正しく

医局を辞める時、できる限り礼儀正しく接し、感謝の姿勢を忘れないことがポイントです。

医師の世界は狭く、例え医局を辞めてもどこかの病院や学会でばったり会う可能性は十分あります。

そんなとき、揉めた過去があると「あの先生は恩知らずだ」とか「辞めたときも酷い態度だったらしいよ」と悪評を立てられてしまう可能性も。

医師の世界は狭いからこそ、できる限り悪いイメージはつかない方がいいでしょう。

どんな医局であっても育ててもらった恩は忘れず、最後まで礼儀正しく接しましょう！

転職先の情報をできるだけ細かく調べる

転職したい病院のことは、できるだけ細かく調べましょう。

転職先の病院の情報を集めることで、妥協できないところと、妥協しなければならないところが明確になります。

調査が面倒な医師は、転職サイトのエージェントに依頼しましょう。エージェントさんは想像以上に重要情報を集めてきてくれます。

医局を辞めて何がしたいのか自分と向き合う

退局する前に「医局を辞めてやりたいことはなんなんだろう。」と向き合っておくと後悔しません。

「なんとなく医局を抜けたい」というふわっとした理由だけではなく、【辞めた後こういう働き方がしたい！】まで向き合っておきましょう。

例えば「医局人事で遠方に飛ばされるのが嫌だから近くの病院で働きたい！」とか「自分の仕事が終わっているのに最後まで残れという圧力が嫌だから帰れる病院がいい！」など。

どこをどうしたいかまで考えておくと、「なんで辞めちゃったんだろう…」という後悔ではなく「あの時こうしたい、って思ったから決めたんだ！」と納得できます。

自分が何をしたいのかを明確にしておくと、後悔する可能性が減らせますよ。

医局を辞めて良かった！後悔しなかった事例3選

医局を辞めて本当に良かった！という事例を紹介します。

実際の例が分かれば「辞めていいんだ」「辞めたほうがいいんだ」と思えるでしょう。

【事例1】医局人事から抜けられた

医師にとって医局人事は、恐怖に感じるほどのストレスです。毎年どこに飛ばされるのか戦々恐々としている人も多いでしょう。

関東と東海を行ったり来たり…人事に振り回され、その度に引越しをし、新しい環境に慣れなければならないのは本当に大変です。

医局を辞めれば恐怖から解放され、嬉しい毎日がやってきます。

【事例2】当直がなくなった

当直業務は身体的に疲労が溜まり、年齢が上がるにつれてどんどん辛さが増してきます。

それでも上の先生がやっているからと言われ続けざるを得ないことも。

医局を辞め、当直のない生活を送れれば身体的にも精神的にも楽になりますね。

【事例3】思っていたより不安はなかった

医局を辞めることに対して漠然とした不安を抱えている医師は多いでしょう。

「医局の後盾」や「教授の庇護」は医師にとって魅力があり、医局員が医局を辞めることに不安を持つのは当然です。

しかし今の時代、転職サイトがあり就職先には困りません。そして想像以上に自分のやりたいことを続けられる病院は多いです。

勇気を持って医局を辞めた後、明るい未来が待っていますよ。

医局を辞めて後悔しないために！エージェントの力も借りておこう

医師用の転職サイトには、退局した医師を迎え入れる病院であふれています。

医師が「医局を辞めても転職先はいくらでもある」と思えると、退局する不安が消えます。

優秀なエージェントを抱えている、おすすめの転職サイトを3つ紹介します。

まとめ：医局を辞めても後悔しない！不安な点はなくしておこう！

医局を辞めて後悔する医師は意外と少ないです。

あらかじめ不安になりそうな点を把握してから退局すれば、医局を辞めて後悔することはありません。

それ以上に新しい医師人生を歩み始められて、満足する人が多いです。

だからこそ、勇気を持って退局する人を応援したいし、より良い医師生活を送って欲しいです。

今記事を読んだ方が後悔することなく、自分のやりたい医療を続けられるように願っています。