医師の現状と将来性【麻酔科医の現況】食いっぱぐれないような対策3つ

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こんにちは、りんです。

私は現在、医局フリーで麻酔科専門医を目指し奮闘中です!

麻酔科の仕事をとても気に入っているし、麻酔科を選んで良かった〜!と日々感じています。

でも『最近麻酔科の今後が危うい??』と感じる人が多く…

医師

麻酔科って将来性あるの?

医師

麻酔看護師に仕事取られそうって本当?

こういった相談をよく受けます。

この記事では
  • 現役麻酔科医からみた麻酔科の将来性

について考察します!

りん先生

かなり正直にぶっちゃけたよ

この記事を書いた人

りん先生@麻酔科医

医局に属さない働き方をするアラサー女医。医局を辞めたい若手医師のサポートを100件以上行ってきました!
この経験を活かして【医局の辞め方・バイトの始め方】をお伝えしていきます。

目次

麻酔科って将来性あるの?

みなさん麻酔科の仕事についてどう思いますか?

研修医

手術の開始と終了の時は活躍するけど、それ以外は座っているだけ

研修医

正直、術中管理は研修医にもできる

こういった意見も多いでしょう。

今後麻酔科医は淘汰されていくのでしょうか?

フリーランス麻酔科医はもう厳しい?

以前はフリーランスの麻酔科医がガッポガッポ稼いだ時代がありました。

過去のフリーランス麻酔科医
  • 1日15万円の麻酔バイト
  • 1週間で75万円
  • 週5日、毎日違う施設で勤務

月収300万円

なんと年収3,600万円!

りん先生

すごい!!

しかもこれは普通のバイトの場合…

心臓外科麻酔バイトなら1日30万円とかもザラにあった時代なので、本気を出せば年収5,000万円プレーヤーも実在しました。

でもやっぱりやりすぎは良くないですよね…

他科から批判があったり、麻酔科常勤医からやっかみがあったり…

2019年度の専門医更新要件に

“同じ施設で週3日以上勤務しないと更新させないよ!”

という制限をかけられてしまいました。

この制限により、毎日違う施設でバイトしまくるようなフリーランス麻酔科医は淘汰されていったのです…

以前のようにフリーランス麻酔科医がガッポガッポ稼ぐのは難しいでしょう。

麻酔看護師に仕事を取られそう?

アメリカではCertified Registered Nurse Anesthetistという麻酔看護師が麻酔行為を行なっています。

中には麻酔科医の監督が必要なく麻酔行為を行うことが認められている地域もあります。

日本ではまだ珍しい…かと思いきや。

周麻酔期看護師という周術期管理に特化した看護師の育成が始まっています。

実際に麻酔科医の指導のもと麻酔維持管理を任せられている看護師もいるくらいです。

これがもっと発達すれば日本でも麻酔看護師が麻酔をかける日が来るかもしれません。

そうなれば麻酔科医の必要性は少なくなってきますね…

まだ時間の猶予はある

ここまで話を聞くと、え、やっぱり麻酔科の将来性は薄いんじゃ…となりますね。

ですが焦る必要はありません。

麻酔看護師の実働化は問題が山積み

そもそも麻酔看護師が多く養成されて麻酔科医を凌駕するようになるとしたら何十年も先になるでしょう。

クリアすべき問題が山積みだからです。

クリアすべき問題
  • 術中に麻酔トラブルがあったら誰が責任を取るの?
  • 麻酔看護師?統括している麻酔科医?
  • 患者は麻酔科医と麻酔看護師を選べるの?
  • 酔科医と麻酔看護師が麻酔をした場合、医療費は変わるの?

法整備も含めてこれを解決しないことには実働部隊として力を持てません。

なので近い将来すぐにとって変わられることはないでしょう。

地方では自科麻酔も多い

都心はだいぶ充足していますが、地方では外科医や産婦人科医が麻酔をかける”自科麻酔”がまだまだあります。

地方は麻酔科医不足なのです。

自科麻酔がある=麻酔科医の需要がまだある

ということになるので今すぐに職がなくなることはないでしょう。

猶予があるからこそ、今できることしておく

今のところすぐに仕事がなくなることはなさそうです。

ですが、ゆっくりと時間をかけて減っていくことは考えておいた方が良いでしょう。

フリーランスも旨味が減り、麻酔看護師でもできる仕事になれば、当然仕事は減るし単価も下がります。

その中で生き残るためには自分の価値を高めておくことが必要です。

対策①:リスクヘッジをしておく

私のおすすめは『麻酔以外の道も持っておくこと』です。

私は美容皮膚科でバイトをしていますが、これはお小遣い稼ぎだけでなくいざというときのリスクヘッジでもあります。

麻酔科医として働けなくなったときに”ただの医者”では雇ってもらいづらい

今のうちに美容診療をして方向転換できるようにしておく

別の道を用意しておくことこそ人生のリスクヘッジ

こう考えてます。

これが美容診療じゃなくても

  • 産業医
  • 健診
  • 訪問診療
  • AGAや脱毛バイト

なんでも大丈夫です。

この方法なら若手のうちから対策可能です。

いざというときの別の道を用意しておくのが良いでしょう。

対策②:資産形成

今のうちに貯めてしまうのも得策です。

麻酔科医ってまだまだバイト代が高いですからね!

徐々に給料が減ることを見越し、早いうちから稼ぎ切って貯めておく

貯めたお金は少しずつ運用しておく

これだけで十分な安心材料になります。

資産運用って怖いイメージがあるかもしれないけれど

  • 積み立てNISA
  • iDeCo

などは少額から始められる上、節税効果もあります!

この機会に初めてみてはいかがでしょう?

対策③:専門性を武器にする

麻酔科専門理領域に関する専門性
  • 心臓外科麻酔
  • 産科麻酔
  • 小児麻酔
  • ペインクリニック
  • 集中治療

どれか1つでも、専門性を高めておけば自分の武器になるでしょう

普通の麻酔は誰でもできる仕事になっても、専門性の高い麻酔は最後まで侵食されにくいです。

ただの麻酔科医ではなく何か専門性を身につけている麻酔科医を目指すのが良いでしょう。

収入に危機感を持つ医師は多い

給与が減るのは麻酔科医だけの問題ではなく他科の医師も減ることが予想されます。

ここ10年医師の平均年収はずっと横ばいです。

医師・医者の年収(年収ガイドより引用)

『変わらないなら良いじゃん?』と思いますか?

いいえ、違います。

日本は緩やかなインフレ(物の値段が上がり、お金の価値が下がること)が起きているのに医師の給料は増えていません。

それどころか度重なる増税で給料の手取りは減り続けています。

今後は麻酔科だけでなく他科医師も給与が減ると予想して動くべきでしょう。

麻酔科の将来性まとめ

まだ時間の猶予はありますが、徐々に“普通の麻酔科医”は淘汰されていくでしょう。

麻酔科の将来性
  • 施設を転々とするフリーランス麻酔科医は厳しい
  • 麻酔看護師に仕事を取られる可能性がある
  • 美容診療など他の仕事もできるようにする
  • 今のうちに稼いで資産形成をする
  • 生き残るために専門性を身につける

麻酔科に以前ほどの旨味がないのは事実です。

ただしこれは他科医師にも言えます。

おじさん上司が『昔は製薬会社の接待がたくさんあってさ〜』みたいな話をよく聞きませんか?

以前と比べて医師のリアリティは下がっているのです。

そして今後も下がることが予想されます。

だからこそ他のスキルを身につけたり、バイトをして稼いでおくのがおすすめです。

りん先生

特にバイトはいますぐできるから始めたやすいよ

ちなみに私は対策3つのうちリスクヘッジ(美容バイト)と資産形成は行っていますが専門性を高めることはしていません。

専門性を高めるのは時間と労力が結構かかるからです。

でも人によっては『心臓麻酔の専門医を取る!』『集中治療を学ぶ!』のように専門性を高めることが向いている人もいます。

その人にとってはこれも正解でしょう。

どんな方法であれ、どの科に進んでも自分の身の振り方を考えておくことが重要なのです。

自分なりの答えを出してみてください。

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この記事を書いた人

医局に属さない働き方をするアラサー女医。
常勤先1つ+非常勤2つを掛け持ちしつつ、スポットバイトも豊富に経験中。
医局を辞めたい若手医師のサポートを100件以上行ってきました!

この経験があるからこそ伝えられる『医局や病院を辞めたいならすべきこと』、『バイトをする前に知っておくべきこと』を発信していきます!

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