なぜ医師賠償責任保険が必要なの?【たった1回の訴訟で2億円の賠償金】

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みなさん仕事で訴えられるリスクを考えたことはありますか?

医師として働く限り、医療訴訟を起こされる可能性は常にあります。

そんなリスクに備えるのが”医師賠償責任保険”です。

医療訴訟は命に関わるため、賠償額が1億円以上になる場合もあります。

りん先生

簡単に人生詰んじゃうよ…

この記事では
  • 医師賠償責任保険に入らないとどうなるか
  • おすすめの保険加入方法
  • 選択すべきプラン

紹介します!

りん先生

自分を守れるのは自分しかいない!

\医師賠償責任保険も20%オフで入れる

この記事を書いた人

りん先生@麻酔科医

医局に属さない働き方をするアラサー女医。医局を辞めたい若手医師のサポートを100件以上行ってきました!
この経験を活かして【医局の辞め方・バイトの始め方】をお伝えしていきます。

目次

医師賠償責任保険はなんで入らなくてはいけないの?

皆さんはどのくらいの医療訴訟が起こっているか知っていますか?

年間800件程度の医療訴訟が新受されています。

りん先生

1日に2件以上のペースで訴訟が起こっているんだね

さらに平均審理期間は2年と長く、一度訴えられると非常に長期の付き合いになります

りん先生

2年間も悩まされるのか…

医療訴訟を起こされるのはできるだけ避けたいし、万が一起こされても賠償金の心配はしたくないですね。

中には2億円以上の賠償金も

過去の判例の中には2億円以上の高額な賠償金を支払うよう命じた例もあります。

A病院にて帝王切開を受けた際、大量出血をきたして植物状態・四肢麻痺などの後遺症が残ってしまったことから、被害者の夫が担当医と医療法人に対して損害賠償を求める訴訟を起こした事例。

裁判所は「担当医は被害者の状態から腹腔内出血を疑って、速やかに救急病院へ搬送するべきだったにもかかわらず手配が遅れており、早い段階で止血処理が行われていれば本件のような障害を負うことはなかった」として、過失があることを認めた。

その結果、担当医と医療法人に対して約2億2,300万円を支払うよう命じた。

東京地裁平成15年10月 9日(Westlaw Japan 文献番号:2003WLJPCA10090003)

2億円以上の賠償金…

忙しい医療現場や不慣れな若手のうちは重症な疾患を見逃してしまう可能性があります。

誰にでも可能性はあるのでしっかり備えましょう。

どの賠償額に入れば良い?

1事故2億円タイプがおすすめ

医師賠償責任保険はその支払い限度額によって保険料が異なります。

支払い限度額が高いほど保険料も高くなります。

元々は1事故1億円タイプに加入している人が多かったのですが、最近の判例では1億円を超える賠償額もあります。

そのため2億円まで保証されるプランに入っておくべきでしょう。

民間医局の調査でも半数以上が2億円タイプを選択しています。

3億円まで補償するタイプも出てきてはいますが、常識的な診療をしている限りはそこまでの補償額が必要になることは少ないでしょう。

ただし訴訟リスクの高い科、若い患者が後遺症を残すリスクのある科の医師は要注意です!

【訴訟リスクの高い科】

  • 内科
  • 外科
  • 整形外科
  • 産婦人科
  • 形成外科
出典:医師向け臨床支援アプリHOKUTO

特に分娩や手術を多く行う医師は3億円のプランでも良いでしょう。

りん先生

若い患者さんが重度後遺症もしくは死亡した場合、賠償額が高額になるよ

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医師賠償責任保険の加入方法

    ①民間医局

    出典:民間医局

    最も簡単な方法が民間医局です。私も加入しています!

    周りの先生も結構加入している人がいるのでおすすめの方法です。

    民間医局はレジナビで有名なのでご存知の方も多いでしょう。

    医師賠償責任保険も取り扱っており、20%オフの団体割引も効きます。

    HPから手続き可能で、更新日が近くなったらメールでお知らせしてくれるのも良いところですよ。

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    また、他の方法よりも継続しやすいのがポイントです。

    各科の学会から保険に入ると、万が一転科した時に困ります。

    病院の斡旋で入ると病院を変わった時に困ります。

    母校の斡旋で入ると大学の近くにいない場合、連絡を取るのに苦労します。

    それに比べて民間医局の場合

    • 科が変わっても問題ない
    • 病院が変わっても問題ない
    • 母校と連絡を取る必要もない

    メリットが多いんです!

    なので医師賠償責任保険は民間医局で加入がおすすめです。

    \医師賠償責任保険なら民間医局

    ②病院の斡旋

    勤務先の病院が斡旋してくれる場合もあります。

    病院と保険会社で提携を結んでおり、病院がパンフレットをくれます。

    場合によっては保険料を給与天引きにしてくれるところもあるので支払いも楽ですね。

    難点は病院を移動する時に手続きが必要なことです。

    全部勤務先がやってくれていた申し込みや振り込みも、移動先では自分で再度契約する必要があります。

    もう一生病院を移動しないであろう人や移動先でも自分で更新をやれる自信のある人はこの方法が良いでしょう。

    ③各種学会

    学会も保険を斡旋してくれるのでそこから加入するのも良いでしょう。

    カイトーという保険会社の取り扱いがあり、以下の学会員が加入できます。

    【医師賠償責任保険に加入できる学会】

    • 日本脳神経外科学会
    • 日本整形外科学会
    • 日本眼科医会
    • 日本胸部外科学会
    • 日本神経学会
    • 日本糖尿病学会
    • 日本消化器内視鏡学会
    • 日本外科学会
    • 日本循環器学会
    • 日本消化器病学会
    • 日本産婦人科学会

    ただし上記学会の先生が加入対象のため、それ以外の方には向かないでしょう。

    初期研修医の先生方はまだ入る科が決まっていない場合は学会に所属しないため加入しにくいです。

    あとは転科すると学会からは抜けることになるので、万が一の場合継続できないかもしれません。

    ④大学の同窓会

    各大学の同窓会でも保険の取り扱いがあります。

    『卒業時にもらえる書類に保険のパンフレットが入っていたな〜』という人もいるでしょう。

    出身大学って今後も変わることはないし、初期研修医の先生でも加入できるので若手向きな方法です。

    おすすめの方法は民間医局

    医師として働き始めると保険の申し込みや更新手続きって本当にめんどくさくなります。

    ただでさえ日々の業務で忙しいのに、医師賠償責任保険とか確定申告とかふるさと納税とか…

    『事務手続きめんどくさい!!』

    でも医師賠償責任保険って自分の身を守るために必要だし、こういうめんどくさい手続きこそきちんとやるべきですよね。

    民間医局なら更新が近づくと教えてくれる上に、勤務先が変わっても問題なく継続できます。

    民間医局の良いところ
    • 全てHPから加入手続き可能
    • 更新のお知らせがちゃんと来る
    • 病院の斡旋や学会に比べて退会する可能性が低い
    • 非常勤先やアルバイト先の勤務でも補償
    • オンライン診療、産業医業務も補償

    病院の斡旋は移動で変わるかもしれないし、転科した場合は学会も変わる可能性があります。

    その都度手続きするのってめっちゃくちゃ面倒なので、できるだけ継続できるようなシステムにしておくと楽ちんです。

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    病院も保険には入っているけれど…

    医師個人を訴えられることがある

    勤務先の病院も『病院賠償責任保険』に加入しています。

    これは病院自体が訴えられた時の保険です。

    医師

    病院が保険に加入しているなら医師賠償責任保険に入る必要なくない〜?

    いいえ、入る必要があります。

    【患者さんや遺族が訴訟を起こす場合】

    • 医師に賠償を命じる
    • 病院に賠償を命じる
    • 医師と病院に賠償を命じる

    この3つの可能性があります

    実は訴訟を起こされるケースで病院のみを訴えることは少ないのです。

    半数以上が医師と病院の両方を共同被告として訴えます。

    例え病院が保険に入っていても、医師個人を訴えられた場合は支払いが必要になるので必ず加入しておきましょう。

    もちろん非常勤やアルバイトの場合ほぼ100%病院は守ってくれないため必ず加入しましょう!

    まとめ

    医師賠償責任保険は忘れずに入ろう

    医師賠償責任保険の重要性についてわかっていただけましたでしょうか。

    要点まとめ
    • 医師賠償責任保険で自分の身を守ろう
    • 1事故2億円タイプがおすすめ(リスクの高い科は3億円)
    • 病院が加入していても医師個人が訴えられる可能性はあり

    民間医局で加入がおすすめ

    せっかく手に入れた医師免許です。

    訴訟で人生オワコン…なんてことのないように対策しておきましょう。

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    この記事を書いた人

    医局に属さない働き方をするアラサー女医。
    常勤先1つ+非常勤2つを掛け持ちしつつ、スポットバイトも豊富に経験中。
    医局を辞めたい若手医師のサポートを100件以上行ってきました!

    この経験があるからこそ伝えられる『医局や病院を辞めたいならすべきこと』、『バイトをする前に知っておくべきこと』を発信していきます!

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