研修医の皆さん仕事には慣れましたか?
前回、麻酔科のおすすめ参考書を紹介したところ非常に好評でした。

研修医そろそろ当直が始まるけれど、救急外来で初期研修医が持っておくべき参考書も教えて!!
という相談が多かったので、今回は初期研修医向けにおすすめ参考書を紹介します!
- どの参考書で勉強したらいいかわからない人も
- 当直業務が始まってビクビクしている人も
- 救急外来から各科ローテまで使える参考書が
丸っとわかります!
この記事を書いた人


医局に属さない働き方をするアラサー女医。医局を辞めたい若手医師のサポートを100件以上行ってきました!
この経験を活かして【医局の辞め方・バイトの始め方】をお伝えしていきます。
初期研修医の活躍の場は救急外来
初期研修では2年間いろんな科をローテートします。



内科も外科もマイナーも満遍なくまわるよ!
中でも最大の活躍の場は救急外来です!



急に救急外来に出るとか不安だなあ…
そんな人でも大丈夫なようにおすすめの参考書を紹介します!
救急外来全般ならまず最初に買っておくべき教科書
ER実践ハンドブック



初めての1冊は圧倒的にこれ!
救急の現場では緊急性の高い疾患、見逃してはならない疾患が多くあります。
この本には見逃し危険な疾患に気をつけるための知識が載っています。
実臨床でも役立つし読んで勉強にもなるので、辞書系ではなく参考書系で1冊選べと言われたらダントツこの本です。
何を優先し、どう治療すれば良いのかサクッとわかります。
ICUシリーズも有名「ICU実践ハンドブック改訂版」
ICU実践ハンドブックも出版されています。
非常に評価が高いので、併せて集中治療も勉強したい人はぜひ手に取ってみてください。
当直医マニュアル2025
言わずと知れた超超超有名な当直医マニュアルです。
当直中って結構忙しいから『ん〜、胸痛か〜、え〜と…鑑別疾患は〜、う〜〜ん…』とかいってる余裕ありません。
胸痛?とにかくまず狭心症、心筋梗塞の除外!命に関わる疾患からさっさと鑑別!!
みたいにザーっ!と捌く必要があります。
そんな時にこのマニュアルが大活躍なのです!
辞書みたいに使えて、『診察!診断!治療方針はこれだ!!』ってのがパッとわかるので携帯しておきましょう。



ポケットサイズだから白衣に入るよ
救急外来ただいま診断中!
こちらも有名ですね。
救急外来で考えるべきこと、実際にすべきことが細かく分類されています。
さっきの当直マニュアルが辞書なのに対し、こちらは根拠や知識がより深く書かれています。
女性の救急外来編もあり「女性の救急外来ただいま診断中!」
『女性を見たら妊娠を疑え!』と指導されるように、女性の疾患は見逃すと怖いものも多いです。



子宮外妊娠とか命に関わるからね…
ぜひ女性編も勉強しておきましょう。
内科疾患で持っておくべき教科書
内科レジデントの鉄則
救急の付け焼き刃の知識だけでなく、その後の病棟業務や内科管理まで勉強したいのなら内科レジデントの鉄則は持っておくべきです。



研修医で持ってない人はいないレベルに有名じゃないかな?
内科全般を広く見渡せるようになるので、内科志望の先生だけでなく他科志望の人も目を通しておくと良いでしょう。
ホスピタリストのための内科診療フローチャート
診療の解説がフローチャート形式で説明されているため「症状から診断→治療→管理」の理解がしやすいのが大きなメリット。
単に「この薬はこう使う」という説明だけでなく、「なぜこの選択か」「どこを重点に見るか」など、ホスピタリストとして必要な判断プロセスまでカバーされています。
内科全般の全体像をまるっと理解したい人にはおすすめです。
ICU/CCUの薬の考え方、使い方
内科の医師や集中治療医からも評判の高いのが「ICU/CCUの薬の考え方、使い方」です。
血圧ひとつとっても、どこまであげる?どの薬剤を使う?ノルアド?バソプレシン?ドパミン??など実臨床に即した疑問に答えてくれます。
判断に迷う場合、もしくは上級医がどうしてこの薬を使ったのか理解したい場合など、勉強になる1冊です。
Dr.竜馬のやさしくわかる集中治療
難解なICUの概念を「生理+臨床思考」でやさしく解説してくれるのが「Dr.竜馬のやさしくわかる集中治療 循環・呼吸器編」です。
図やイラストが多く、難しく捉えがちなICU治療を簡易的に学べます。
そして内容も浅すぎず実際の呼吸器管理や循環管理が学べるため“ICUに入る前に読むと怖くなくなる本”、かつ“現場に出てから読むと腑に落ちる本” となっています。
心電図の判断に持っておくべき教科書
レジデントのためのこれだけ心電図
心電図に苦手意識がある人いませんか?
結構いますよね。
残念ですが心電図は研修医になってからも大事なツールです。
しかも見落とすと命に関わるので必ず勉強しておきましょう。
心電図ってどうも難しくて他の参考書でも挫折する人が多いのですがこの本はかなり優しく基礎的なところから教えてくれるので非常におすすめです!



ポリクリの時に持っててもよかったかなってくらい優しく解説してくれるよ
心電図の読み方パーフェクトマニュアル
読み物というよりは辞書のように使えるのが「心電図の読み方パーフェクトマニュアル」です。
大きな本なのであまり持ち歩きには適しませんが、研修医室でカルテを見ながら心電図の確認や勉強に使うのにはとても用いやすいです。
研修医室に置いていることもあるので、確認してみて、もしなければ購入というのが良いでしょう。
3秒で心電図を読む本
本のタイトル通り「3秒で読む」を意識した勉強ができます。
救急外来では一刻一秒を争う症例も多く、いちいち心電図の教科書をめくっている暇はありません。判断してすぐにオーベン呼んで循環器のオンコールに連絡することも。
そういった緊迫するような状況でも即座に判断ができるようになるのでこの1冊は読破がおすすめです。
輸液コントロールに持っておくべき教科書
レジデントのためのこれだけ輸液
同じくレジデントのためシリーズでおすすめなのは輸液です。
輸液も苦手意識ある人多いんじゃないですか?



開始は1号液?維持は3号液?リンゲル液ってなんのこと?
パッと答えられますか?
『もう嫌!』となりそうな気持ちを抑えて、一度この本を読んでみてください。
輸液はどの科に進んでも必要な知識ですから、パラパラっとでも良いので読んでおきましょう。
研修医のための輸液・水電解質・酸塩基平衡
電解質や酸塩基平衡と聞くとつい苦手意識を持ってしまう人が多いですよね。
アシドーシスだかアシデミアだかもうよくわからん!という人の気持ちもわかります。
こちらの本はタイトルに「研修医のための」とある通り、初期研修医・若手医師が理解しやすいよう解説されています。電解質管理に困った人も読んでみると悩みを解消できるかもしれません。
画像診断に使える教科書
レジデントのためのやさしイイ胸部画像教室
胸部画像の読影も大事な業務です。
胸部画像って働くようになると簡単に撮るんですけど、割と訴訟リスクが高いです。
見逃し、見落としが顕著にわかるので後から怖い思いをすることも…
必ず勉強しておきましょう。
レジデントのため腹部画像教室
急性腹症も割と怖い病気なので一緒に学んでおくと良いですね。
胃腸炎じゃない?と思って帰すと腸管穿孔で帰ってきたりします。怖い思いをしないためにも画像は読めるようにしましょう!
レジデントのための 心エコー教室
救急外来でまず始めに行うのはエコー検査。
侵襲も少なく、簡易的に行えるので非常に有用です。特に心疾患などエコーで動きを見て判断することもしばしば。
ACSやAMIを瞬時に捉えられるようになるため、エコーはしっかり学習しておきましょう!
骨折ハンター レントゲン×非整形外科医
研修医の見落としが多いのは骨折です。
正直自分も見抜けなかったことはあるし、前日の研修医が見落とした画像を自分が診断することもあります。ある程度お互い様なところはありますが、それでも適切に診断をできるに越したことはありません。
非整形外科医でも読めるような教科書になっているため研修医のうちに目を通しておきましょう!
画像診断に絶対強くなるワンポイントレッスン
読み物として学ぶなら「画像診断に絶対強くなるワンポイントレッスン」がおすすめ。
カンファレンス形式で講義が進むため、楽しく学びながら学習できます。
ver2と3もあるので読み進められそうな人は2冊目、3冊目へと進むと良いでしょう。
血液ガス、呼吸器管理の教科書
竜馬先生の血液ガス白熱講義150分
今更聞けない「PAO₂のAって何?」という基礎的な解説から始まり、呼吸生理・肺胞気式・A-aDO₂などの概念を丁寧に教えてくれます。
1回大学の講義で習ったけど、もう忘れてしまった、理解しきれなかったなど学び直したい内容も豊富です。
血液ガス分析に苦手意識のある人は一度読んでみましょう。
レジデントのためのやさしイイ呼吸器教室
この本も大人気ですね。
呼吸器って結構奥が深いけどプライマリーで来たりするから学んでおいて損はないです。
肺炎、喘息、画像診断から治療まで詳しく学べます。
ちょっと分厚いですが1冊読み切る頃にはかなりの知識量になっているので挑戦してみてください。
やさしイイ血ガス・呼吸管理
筆者の長尾先生自身が「呼吸生理」「人工呼吸器」が苦手だった経験を元に、「つまずきポイント」を丁寧に解説してくれています。
ついつい理解し難い「人工呼吸器の設定」「モードの切り替え」「PEEP」「オートPEEP」はどういう時に使えばいいの?という疑問を解消できますよ。
B5判・224Pと気軽に持ち歩ける大きさのため、ポケットに入れておきたい1冊です。
抗菌薬の教科書
まとめ抗菌薬 表とリストで一覧・比較できる、特徴と使い方
タイトルのとおり、抗菌薬を系統・薬剤クラス別/適応菌・感受性菌・使用上のポイントなどで一覧化・比較できる資料的な構成になっています。
お腹の疾患にはどの抗菌薬?皮膚疾患には?とかこの菌には何使う?といったような初歩的な疑問にもどう使い分けるか答えてくれる1冊です。
読み物というよりは「表・リスト」で一覧できる構成なので辞書的に使うと良いでしょう。
絶対わかる抗菌薬はじめの一歩
抗菌薬も苦手意識がある人が多いですね。
肺炎、尿路感染、胆管炎…
救急外来に出るとこんなに多いのかと思うくらい『高齢者・発熱・抗菌薬』はセットです。
『とりあえず1回は抗菌薬のこと学んでおかないとな〜』となるのでまず1冊ここから始めてみてください。
病棟指示と頻用薬の使い方
研修医になって困るのは看護師さんから「指示出してください」「薬何いきますか?」と聞かれることです。
どんな指示にしたらいいの?どの薬を出しておけばいい?という疑問に答えてくれるのが「病棟指示と頻用薬の使い方」です。
病棟指示や処方指示まで網羅されており、オーベンに聞くほどではないけどなんとか自分で解決したい!という時にも味方になってくれる1冊ですよ。
研修医室にある本も活用しよう
研修医当直御法度やレジデントノートなどメジャーな本は本棚にあり
他にも有名な本は研修医当直御法度やレジデントノート、デキレジ・ヤバレジシリーズなどありますが、大体は研修医室か医局の本棚にあるので時間ある時に読めばOKです。



高いから買わずに借りればよろし!
最初から全力投球すぎるとエンストするので『こんなもんか』くらいの気持ちで始めましょう。
自分の身を守ることも忘れずに
ガッツリ診断&治療のできる医師はかっこ良いです!
ですが、完璧な人はいません。
絶対に診断ミスもするし、患者と揉めることもあるし、当然訴えられるリスクもあります。
社会人になったら自分の身を守ることができるのは自分しかいません。
必ず医師賠償責任保険に加入し、身を守りましょう。





忘れずにね!
民間医局に登録すると医師賠償責任保険が20%オフで入れます。
自分の身を守るために必ず入っておきましょう。
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【まとめ】教科書・参考書を使って救急外来を乗り切ろう
以上、研修医が持っておくべき参考書でした。
初期研修期間は2年もあるのでざっくりここに載せた本は読み切れるんじゃないかなって思います。
超超有名シリーズを掲載したので買って失敗することはないでしょう。
救急外来は大変ですが頑張ってくださいね。







































