ぼちぼち後期研修先を考える人も多いのではないでしょうか。
このサイトでもよく相談をいただきます。
- 後期研修先に迷っています
- 大学が良いですか、市中が良いですか
- 市中病院ならどんな病院がおすすめですか
みなさん迷いますよね。
私は市中病院に就職したのですが、それまでに結構迷いがありました。
- 大学に向いているのはこんな人
- 市中病院に向いているのはこんな人
- 特徴とポイントをわかりやすく
解説します!
3年目以降に悩む人は要チェックだよ
\後期研修先も相談できる/
この記事を書いた人
医局に属さない働き方をするアラサー女医。医局を辞めたい若手医師のサポートを100件以上行ってきました!
この経験を活かして【医局の辞め方・バイトの始め方】をお伝えしていきます。
後期研修先は大学?市中?
2年間の初期研修が終わると専攻医(後期研修医)という身分になります。
自分で専門とする診療科を決め、自分で働く病院を探します。
一般的には
- 大学病院の医局に入局
- 初期研修をした市中病院に残る
- 新たに市中病院に就職する
この3パターンのどれかに当てはまることが多いです。
私は③の新たに市中病院を探して就職したパターンでした。
どれが良くてどれが悪いとかはなく、自分の人生設計にあったパターンを選ぶことが重要です。
大学向きな人、市中向きな人、それぞれ特徴があるので自分に合った働き方を選んでみてください。
大学に向いているのはこんな人
①:医局内で出世を考えている人
まず大学医局に所属した方が良いのは“医局内で出世したい人”です。
大学という組織は序列があります。
- 教授
- 准教授、関連病院の院長・部長
- 講師
- 助教
- 医員
このように構成されています。
上昇志向の強い人は下から順にステップアップしていき、教授や准教授、関連病院の院長クラスを目指します。
このように最終的には教授を目指したい人や総合病院で部長職以上を目指す人は医局に所属した方や良いです。
むしろ早い時期から所属してどんどん実績を積んだ方が良いでしょう。
最近は「出世欲のある若者が少ない!」なんて声もありますが、やはり教授というのは絶対的権威の象徴です。
なかなか凡人がなれるものではありませんね。
ガッツのある人はどんどん出世コースを目指して頑張って欲しいです!
②:優柔不断な人
次に医局に向いているのは意外にも“優柔不断な人”です。
なぜなら医局は入ってしまえばその後の勤め先をずっと決めてくれるからです。
医局に入局後は医局人事で就職先が決まります。
つまり毎年勝手に「この病院に行ってね〜」、「次はここの関連病院よろしくね〜」と決めてくれるわけです。
ハイハイと従っていれば良いので、ある意味楽ですよね。
「働きたいけれど自分で決めるのは億劫だから決めてほしい」というような優柔不断な人にはもってこいです。
医局に所属しない場合は、”自由=自分で決めなければいけない”のでそれなりに労力がかかります。
誰かに決めてもらったほうが気楽で良いなという人は医局に所属した方が良いでしょう。
③:人脈を広げたい人
医局に入るべき人、3つ目は“人脈を広げたい人”です。
これは医局最大のメリットとも言えるのですが、医局に所属していると否が応でも人との繋がりができます。
いろんな先輩・同期と知り合うことができる上に、そういった先輩方から受ける教育環境も整っています。
なんだかんだ医師の仕事は経験がものを言う世界です。
教科書に載っていないような知識・テクニック・経験・症例を教えてもらえるのは大きいですよね。
そして医療業界は非常に狭い世界です。
誰かの友達の友達が、自分の病院の同期だったなんてことしょっちゅうあります。
そのため就職やバイト探しにも、この繋がりが活かされることがあるのです。
最近は転職サイトのおかげでより良い案件が掲載されるようになりましたが、いまだに内々で条件の良い就職先を回していることもあるので、人との繋がりはある方が良いでしょう。
このように縦にも横にも繋がりを広げたい人は医局に入ったほうが良いですね。
市中に向いているのはこんな人
①:自由が好きな人
市中病院への就職は自由がいっぱいです。
まず自分で働きたい職場を決めることができるのでどこで働きたいとか、何を重視して職場を選ぶとか本当に自由です。
「症例数が多いところが良いな〜」とか「指導医がたくさんといるところが良い!」みたいな真面目な決め方でも良いでしょう。
「駅から近くて通勤しやすい病院が良い!」とか「とにかくお給料が高いところが良い!」など、自分のライフスタイルに合った探し方もできます。
この自由さが医局に所属する場合とは大きく異なりますね。
最大のメリットとも言えます!
住む場所も病院の寮を借りたって良いし、住みたいところから通っても良いのです!
お子さんがいる場合には保育所や病児保育のある病院を探したりと、自分の欲しいものを重視して選べます。
私はこの自由さが気に入って市中を選択しました!
自分で好きなように職場を決めたいよって人には市中病院がおすすめです。
②:QOLを大事にしたい人
次に市中病院に向いているのは”QOLを大事に働きたい人”です。
これももちろん就職先によるのですがQOLが高い病院を選んで勤めれば専攻医の立場でも十分プライベートを満喫しながら働くことができます。
私は現在、常勤先週4日+バイトという働き方をしています。
今の働き方にとても満足していますが、もっとQOLを上げることもできます。
今後、出産・育児などでもっと働き方をセーブしたければ非常勤先を削って週4日の常勤先だけにしてQOLを爆上げできます。
一時的に年収は下がるかもしれませんが、専門医取得後にもっと割の良い病院に転職すれば良いだけなので全く気になりません笑
このように今は非常勤先も合わせてガッツリ働いて稼いでいるし、もっとハイポに働こうと思えばいつでも切り替えられます。
なのでQOL重視の人、言うならば“働くボルテージを調整したい人“にはとてもおすすめです。
③:収入を重視する人
3つ目はやはりお給料重視の人です。
初期研修の時と同様に後期研修になっても大学病院の給与は安く、市中は高い傾向にあります。
もちろん働く病院の規模と地域にもよりますが一般的に大学は安すぎてバイトしないと生きて行けないですね。
勤務医の平均給与は1,200〜1,400万円ほどです。
それに対し、大学病院の平均年収は800万円以下が最多です。
「後期研修は自己研鑽!給料なんて関係ない!」という人は医局の方が良いでしょう。
「いやいやいや、それなりに働いてんだからちゃんとお給料欲しいわw」って人は圧倒的に市中向きです。
最近は大学でもまあまあなお給料が出るようになったところもあるようですが、まだ少数ですね。
もちろん「大学医局が持っているバイトの方が割が良い!」って意見もあります。
でもそれは給料の高い市中病院で働きながら自分で非常勤先を見つけて働けば変わりません(というかむしろ市中+バイトの方が高い)
なので給与重視の人はぶっちぎりで市中の方が良いしょう。
市中を考える人へアドバイス
診療科が揃っている病院がおすすめ
市中病院に就職した私からのアドバイス
“できれば複数の診療科が揃っている病院がおすすめ”
後期研修の時期は自分の診療科のことを思いっきり学べる時期です。
医師人生の中でこれほどまでに成長できる時期は他にありません。
後期研修が終われば徐々にオーベンクラスになり、今度は自分が学ぶのではなく指導する立場になりますからね。
真っ当な路線で専門医を目指すならばできるだけ多くのことが吸収できるような、たくさんの診療科のある病院への就職がおすすめです。
バリエーションに富んだ症例が診察できるよ!
途中で進路変更も可能
合わないと思えば変更したって良い
なんか自分に合っていないかもと思ったときは働き方を変えるのもありです。
- 医局に入ったけれどなんか合わない
- 市中に就職したけれど物足りない
今後どちらの意見も出てくる可能性はあります。
私の周りには医局をやめて市中に来た人もいれば、市中をやめて大学に入局した人もいます。
最良の選択をしたつもりでも、心変わりすることや進路変更をすることは十分に考えられます。
そうなればその時に路線を変更することは十分可能です。
幸いにも今の時代は医局制度に縛られた働き方だけではありません。
その気になれば専門医プログラムの移行や勤め先の変更だってできます。
あまり気負わず、今最良だと思える後期研修先を見つけて、「合わなければ変えよう」くらいの気持ちでいると良いですよ。
そのくらい気軽な方が楽に生きられます。
医師免許さえあれば働き口には困らないもんね
まとめ
いかがだったでしょうか。
大学に入局したが良い人、市中の方が良い人、それぞれの特徴を挙げてみました。
ちなみに私はかなり自由を好み、QOLが高い方が良くて、収入もあった方が嬉しいので市中向きですね。
この選択をしてよかったなと思っています^^
もちろん人によって仕事に求めるものは違うので、自分に合った選択をしてもらえたら良いなと思います。
今後、後期研修先を探すのに生かしてもらえたら嬉しいです。