医学部5年生になったら病院見学に行ってマッチングに申し込んで…と言われても。。
どんな病院がいいのか?どこなら失敗しないのか?よくわからないまま月日が過ぎてしまったなんてことも珍しくないのではないでしょうか。

研修先を決めなきゃいけないのはわかっているけど選び方がわからない



初期研修選びで失敗したくない
このように、どんな基準で選んだら失敗しないのか迷う人が非常に多いです。
- どんな基準で研修病院を選ぶべきか
- 重視するポイント10選
- 初期研修医でやっておくべきこと
これから初期研修先を決める方々へ向けて、どこを重視して選んだらいいか解説します!
この記事を書いた人


医局に属さない働き方をするアラサー女医。医局を辞めたい若手医師のサポートを100件以上行ってきました!
この経験を活かして【医局の辞め方・バイトの始め方】をお伝えしていきます。
初期研修先は非常に重要
医師になって最初に働く病院が研修病院です。
この選択は卒後2年だけでなく、その後の人生に大きな影響を与えるため非常に重要な選択と言えます。
だからこそ成り行きで決めるのではなく、しっかりと事前にリサーチして選定すべきです。
どのようなところを重視して選ぶべきなのか、詳しく解説します!
初期研修先で重視するポイント10選
①各科が揃っているか
初期研修の間はスーパーローテートといっていろんな科で研修をします。
1ヶ月単位で変わる病院もあれば2ヶ月単位、4週間単位など期間は病院によって異なりますが、どこで研修したとしても内科、外科、救急、産婦、小児など必修を学ぶのは同じです。ですが各科が揃っていない病院だと回れる科に限りがあります。
例えば内科でも消化器内科、循環器内科、呼吸器内科、腎臓病内科はあるけれど、血液内科、膠原病内科、総合内科はない場合ローテートできないので学ぶことができません。
血内も視野に入れていたのに…とか、アレルギー・膠原病も学びたかった!という事態に陥った時、後悔したくないですよね。
選択肢を狭めないためにもできる限り科が多い病院を選びましょう!
志望科でなくともローテは勉強になる
自分は呼吸器内科に進むから血液内科はなくてもいい!とか膠原病は興味ない!と思うかもしれません。
志望の科が決まっていたとしても他の科を知っておくのはかなり役立ちます。私は麻酔科ですが腎臓内科を回ったことで透析患者の麻酔の注意点がわかったり、膠原病を回ったことでリウマチ患者の術中注意点を学ぶことができました。
何科に進んだとしても知識はあった方が良いです。できるだけ広く学べる病院を選びましょう!
②研修医室があるか
院内には医師が待機する部屋=総合医局があるのが一般的です。
そこには自分のデスクがあって医学書や教科書、PCを置いてパーソナルスペースとして使うことができます。お昼をデスクで食べる先生も多いですし、書類仕事を行う先生も多いです。
ですが、研修医の間は総合医局ではなく独立した研修医室があると良いでしょう。研修医の間はどの科が大変とかあの先生に気をつけた方がいいとかお互いにいろんな話をします。どのローテがおすすめとかあの患者さんの対応はどうするかとか…情報交換することが新しい学びになったり仕事をする上で有意義に働いたりします。
総合医局だと上の先生もいてあまり表立って話ができないし、静かにしなければならない雰囲気が漂っています。ですが研修医室があれば自分たちだけの占有空間なので好きに会話もできるし情報交換もできます。



上の先生がいないからこそできる面白い会話も…!
常に上級医といるのは息が詰まるので研修医室がある病院を選びましょう!
③当直は月2〜4回か
研修医として働き始めると当直に入ることになります。
基本的には救急外来のファーストタッチを行うことが多いです。当直中は患者がいなければ寝られると言うものの、全く患者がいない瞬間は少ないし、寝られたとしても眠りは浅いです。
翌日のパフォーマンスは落ちますし、睡眠不足は重大なインシデントに繋がります。私の同期は当直明けに運転をして事故を起こしてしまいました。なので当直回数が多すぎる病院は避けた方が良いです。
多くとも週1回、つまり月4回程度までが良いでしょう。
逆に少なすぎると経験した症例数が少なくなり救急対応が身につかないので月2回以上はあると良いです。
④当直明け帰れるか
先ほどの当直の話とも被りますが、当直明けは必ず帰れる病院にしましょう。
どういうことかというと、医師の働き方は当直のある日だと朝から丸1日勤務→当直で夜通し働く→次の日も通常勤務という流れになります。
つまり寝られなかった当直の場合朝8時から翌日の17時までぶっ続けで働くことに…。
危険危険!危険すぎます。判断力が鈍り医療事故にもつながるし体を壊す原因になります。針刺しや誤処方の原因にも。思っている以上に休息は大切です。
当直明けは朝帰らせてもらえる病院を選びましょう。
病院見学で必ず聞こう
当直明け帰れるかどうかは病院見学の際に必ず研修医の先生に聞きましょう。
科によって帰れる場合もあれば、外病院の時は帰れないなど詳しく教えてもらえます。研修医と上級医で帰れるor帰れないが違う場合も多いです。
自分たちが参考になるのは初期研修医の生活なので必ず研修医に聞くようにしましょう!
⑤上級医に相談しやすい環境か
研修医が一人で対応することは危険です。
慣れない環境、数少ない経験、知らない治療法…落とし穴はたくさんあります。某有名病院では研修医の誤診によって16歳の男児が命を落としたというニュースもありました。
つまり、自分だけで対応したことにより、患者の生命を脅かしかねないということです。研修病院の中には「少しくらい怖い思いをした方が勉強になる」といって手厚いバックアップがないことも。昭和の時代はそうだったかもしれませんが、令和になった今そんな粗暴な対応をさせるのは危険すぎます。必ず上級医のバックアップがある病院を選びましょう。
ちなみに私が初期研修をした病院は全ての患者で全例上級医に相談しないと処方や対応を決めてはいけない、というルールがありました。当直中眠そうな上級医に相談するのは気が引ける瞬間もありましたが、大きな事故なく研修を終えられたのもこういった手厚いバックアップがあったからだと思います。
どんな状況でも上級医と対応できる病院を選びましょう。
⑥寮or住宅手当があるか
研修の間は寮もしくは借り上げのマンションがある病院だと良いでしょう。
医師人生の中で一番お金がないのが研修医です。大体手取り30万円くらい。都心に住もうとするとワンルームでも10万円くらいします。それを実費で払うと残りは20万円。食費・飲み会・教科書代など差し引くと全然貯金できませんね。
寮がある場合1〜3万円くらいで住めることが多いし、借り上げマンションや住宅手当があると2〜3万円で暮らせます。



中には光熱費まで負担してくれる病院も!
毎月かかる固定費は家計を圧迫するのでできるだけ安価に暮らせる寮や住宅手当のある病院を選びましょう。
⑦同期の人数がある程度いるか(10〜20人)
各病院によって初期研修医の人数は異なります。
多いところでは25人くらいいる病院もあれば、少ないと2人しかいないことも。人数としては10〜20人くらいのところがおすすめです。医学部にいればわかると思いますが、医者って変な人が多いです。
もし同期が2人だった場合、変な人と自分しかいないって結構やばいですよね。2年間かなりきついです。でも10人以上同期がいれば変な人も「ちょっと個性的だね〜」くらいで薄まるし、あまり問題を起こすことはありません。
何より他の同期たちで抑制できるのも大きなメリット。あとは同期が多いことで忘年会や各飲み会も楽しくなります(同期が少ない場合1回こじれると地獄…)
楽しく研修期間を過ごすためにも同期は10〜20人くらいの病院がおすすめです。
⑧食堂はあるか
研修医になると毎日自炊(キラキラ)なんてことは絶対無理です。
暇なローテの時は自炊することもありますが、当直でヘトヘトだったり立ちっぱなしのオペで疲れていると帰宅して買い物行ってそこから料理、食べて片付け、なんて絶対無理です。
そうなると必然的に外食が多くなったりコンビニで買う機会が増えます。でも栄養状態は気をつけたいですよね。となると昼くらいは野菜多めにしたかったり食事のバリエーションを増やしたかったりします。そんな時食堂があるととても良いです!毎日違う献立が食べられるし昼をコンビニ弁当に頼らなくてすみます。
温かいご飯が毎日食堂価格で食べられます!
これは想像以上にありがたいことです。
食生活を整えるためにも食堂のある病院がおすすめです。
⑨夏/冬休みが取れるか
初期研修の間に夏/冬休みが取れるかも必ず聞きましょう。
研修医は忙しいとはいえ、最近は休みも取れるようになりました。自分が研修した病院だと夏休みと冬休み各1週間ずつもらえました。土日と平日5日とまた土日を繋げて9連休が取れます。9日間休みがあると海外にいけたり、遠方の実家に帰ることも可能です。
この休みが取れるかどうかで2年間のQOLが大きく変わります。やはり多忙な中でも休みが取れるとかなりリフレッシュできますよ。
夏季・冬季休暇が取れるか聞くようにしましょう。
⑩初期研修終了後残れるか
初期研修のことばかり考えてると後期研修医になった時に苦労します。
初期研修を終えたあとは各専門科を選択し後期研修へ突入します。後期研修は3〜4年で専門医資格を目指す過程です。医局に属する人もいればそのまま初期研修した病院に残る人も。最近は医局に入ると人事で各地へ飛ばされるので市中病院に残るコースが人気です。
ですが、市中病院で後期研修をしたい場合、枠が少ない可能性があります。特にシーリングという制度が始まって以降、市中病院は狭き門。後期研修で残るためには初期研修の時期から所属していた方がそのまま残るのに有利です。
医局は後からでも入れるので、まずは後期研修で市中病院に残る選択肢を狭めないために、初期研修終了後もそのまま残れる病院を選択しましょう。
残れるかどうかは病院見学で聞くと教えてもらえますよ。
【番外編】後期研修医の生活も聞いておこう
初期研修はたった2年で終わり、しかも科に属していないので”お客さん”状態のことが多いです。
ローテ先の先生たちも自分の科に入ってくれたら嬉しいけれど、みんなが入れるわけじゃないし大半は1〜2ヶ月の付き合いだよね、といった感じ。でも後期研修医は違います。各科に属し、主治医としてバリバリ活躍をします。
だからこそ後期研修期間の生活はかなり重要です。間違いなく初期研修よりは大変なことが確定していますが、それでも症例数は十分積めるか、休みは保証されているか、残業代はちゃんと出るか確認しておきましょう。
また、後期研修になると自由にバイトができます。私自身も麻酔科の後期研修をしながら美容系のバイトをしています。時給1万円以上で割もいいし、結構楽しいです。そういったバイトができるかも聞いておきましょう!
バイトができると自分のお給料も増えて、自由に使えるお金の幅も広がるので本当に楽しいですよ。


初期研修病院をしっかり選んで失敗のない研修医になろう!
初期研修先を選ぶにあたり、重要なポイントを紹介しました。
右も左もわからずどんな基準で選んだら良いかわからない人もこの記事を読むことでなんとなく想像できるようになったのではないでしょうか。
特に症例数が豊富であることや科が揃っていることは今後の医師人生の礎を築くために重要なポイントです。
ぜひ参考に選別していただき、後悔のない研修医生活を送りましょう!



応援しています!










