医局制度に否定的な記事を多く見かけます。
ちなみに私自身は医局に所属していません。
ですが『何でもかんでも医局が悪い!』と思っているわけではありません。
[chat face=”700173.jpg” name=”りん先生” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=”maru”]ただ、自分の人生に必要ないから入っていないってだけだよ![/chat]
医局員の働き方も医局フリーの働き方もどちらにもメリットがあります。
医局が善か悪かよりも、
“医局に所属するメリットがデメリットを上回るかどうか”
それを判断して入局することの方がよっぽど重要です!
今回は医局に所属することで得られるメリットを紹介していきます^^
[box01 title=”この記事を読めば”]
- 医局に所属するメリットは何か
- メリットをふまえて入局するかどうか
- 入局済みならばこのまま続けるのか
判断する基準が分かります
[/box01]
医局とは?
医師派遣・人事・研究・教育を行う組織
医局とは教授を頂点として複数の医師(医局員)が集まって構成される組織のことを言います。
難しそうに聞こえますが、医師が所属する事務所みたいなもんです。
芸能人の方々って芸能事務所に所属をしてテレビやCMの仕事をもらいますよね。
同じように、医師も医局という事務所に所属をして仕事先=病院を決めてもらいます。
【主な医局の業務】
- 関連病院へ医師派遣を行う
- 大学で研究を行う
- 指導や教育を行う
- 所属医師の人事を担う
このように医師業務の幅広い分野に影響力を持っています!
医局って権力を持っていて怖い、雑用も多くて大変そう、というマイナスイメージがあるかもしれませんが良いところもいっぱいあります^^
では医局に所属することで得られるメリットを見ていきましょう!
医局に所属するメリット6つ
①学位(医学博士)が取得できる
大学院へ入学し一定の過程を終えると学位(医学博士)を取得することができます。
基本的に学位の授与は教授が行うため、医局に所属しなければ取得することはできません。
取得した学位は各病院での昇進時に必要となります。
伝統的に日本の大学病院や市中病院では部長職以上の昇進の条件に“学位の取得“が必要なのです。
つまり学位がないと部長職以上へ昇進できません。
そのため大学病院や市中病院での出世を考えている人は学位の取得は不可欠でしょう。
逆に将来開業を考えていたり、特に部長職以上の昇進を希望していない場合は学位取得自体にメリットはありません。
よっぽどその時間をバイトや趣味に当てた方が充実すると思います笑
[chat face=”700166.jpg” name=”りん先生” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=”maru”]最近は上昇志向の若者が減っているから学位取得者は減少傾向だね[/chat]
学位取得者の減少に伴い、一部の市中病院では昇進時に学位が不要なところも増えてきています。
大学院へ行きたがらない医師も増えていますからね…
今後は学位がなしで部長職以上へ昇進する人が増えるのではないでしょうか。
②専門医などの資格を取得しやすい
研修医を終えて専攻医になると各科の専門医を目指します。
【専門医取得のために】
- 様々な症例を経験
- 学会での発表
- 論文の執筆
- 試験勉強
必要になってきます。
特に“症例の経験“では苦労することがあります。
先天性異常や内分泌疾患などの希少疾患はなかなか経験できないからです。
医局に所属していればこういった希少疾患も経験できるよう配慮して貰えることが多いです。
最低でも専門医の申請に必要な症例数は十分集まります!
[chat face=”109342.jpg” name=”りん先生” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=”maru”]安心だね![/chat]
また、専門医だけでなくそれ以降の資格取得もしやすいです。
指導医やサブスペシャリティの専門医も目指せるでしょう。
ただ、現時点で”専門医の取得”自体は基幹病院に所属すれば目指せます。
指導医まで取得しようという医師も減っているため、自分がどこまで目指すか次第なところがあります。
③基礎研究や留学ができる
大学病院で医局に所属することにより基礎研究や留学が可能になります。
各医局には専門としている研究分野があります。
こういった専門分野の研究は医局に所属していないと参加が難しいです。
留学に関しても、各医局が海外の大学と交流を持っています。
必ずしも行けるわけではありませんが、希望すれば留学できるよう配慮してくれることがあります。
研究や留学をしたい場合は医局に所属した方が良いでしょう。
④指導が受けられる
医局に所属をするとその時点で100人以上のコミュニティに所属することになります。
OB・OGを含めるともっと多いでしょうか。
そういった先輩方から指導や教育を受けることができます。
【教育や指導の例】
- 日々の診療で困っていることの相談
- 学会発表のテーマ決め
- 論文のネタ探し
一人で解決が難しいことも相談できます。
むしろ「このテーマで学会発表してみない?」と誘われることもあるでしょう。
[chat face=”700173.jpg” name=”りん先生” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=”maru”]気にかけてくれる先生がいるのは嬉しいね![/chat]
身近に相談できる人が増えるので診療がしやすくなるでしょう。
⑤仕事先(病院)を決めてくれる
医局の主たる業務は関連病院への医師派遣です。
そのため所属医師には必ず仕事先=病院を充てがってくれます。
医局に所属をしていれば、まず就職先に困ることはありません。
また仕事先でトラブルにあった際も医局が守ってくれることが多いです。
不当な要求を突きつけられたり、あまりに薄給での勤務を強いられた時は医局が改善してくれることがあります。
ただし、行きたくない病院へ飛ばされたり、転勤の度に引っ越しを余儀なくこともあります。
自分で就職先を決めたい場合や住むところを固定したい場合は入局しない方が良いでしょう。
⑥子育てに配慮してくれる
医局が子育てや家庭の事情に配慮してくれることがあります。
正直これは、医局自体のマンパワーによってかなり差があります。
人数の多い医局では産休育休が長めに取得できたり、子供のお迎えのために定時で上がれます。
実際に私の友人はお子さんの送り迎えのため時短勤務をさせてもらっています。
[chat face=”705864.jpg” name=”りん先生” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=”maru”]子育てに理解のある上司、医局は本当にありがたいね。[/chat]
逆に人数の少ない医局では、ママさんになると肩身が狭かったり働きにくかったりします。
ママ女医には
- 非常勤先を紹介しない
- アルバイト禁止
- 育休からの早期復帰を余儀なくされる
こういた事例もあります。
[chat face=”705867.jpg” name=”りん先生” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=”maru”]嫌がらせを受けたり陰口を言われることもあるよ…[/chat]
入局前に医局内のマンパワーや様子を調べてから検討しましょう!
表に出てこない情報のため、知人を介して聞いたり内部の人にこっそり教えてもらったりと対策が必要です。
医局に所属するメリットまとめ
医局についてわかっていただけたでしょうか。
[box05 title=”医局に所属するメリット6つ”]
- 学位(医学博士が取得できる)
- 専門医などの資格取得がしやすい
- 基礎研究や留学ができる
- 指導が受けられる
- 仕事先(病院)を決めてくれる
- 子育てに配慮してくれる
[/box05]
みなさんどう感じましたか?
[box06 title=”私個人としては”]
- 出世を望んでいない
- 医局人事で引っ越さなくてはいけないのは大変
- 医局に所属しなくても専門医が取得できる
こういった理由で医局に所属していません。
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自分の人生設計において必要性を感じなかったので今後も所属することはないでしょう。
[chat face=”370921.jpg” name=”りん先生” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=”maru”]しがらみの少ない、自由な生活をしたいな…[/chat]

ただし自分の友人で入局している人はたくさんいますし、もちろん羨ましく思うこともあります。
[chat face=”700166.jpg” name=”りん先生” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=”maru”]人脈が広がったり、交流がたくさんできるのは良いよね![/chat]
医局制度は悪く言われがちですが、良いところもたくさんあります。
メリットもデメリットも考えた上でそれぞれの選択をしてみてくださいね。