研修医麻酔科の勉強って何からやろう?



国試でやってこなかったからわからないことが多い!
そんな方々へ研修医から麻酔科専攻医までおすすめできる参考書を紹介します!
この記事でわかること
- 現役麻酔科医がおすすめする参考書
- 初期研修医向けの基礎編から
- 麻酔科専攻医も使える上級者向けまで
丸っと解説します!
この記事を書いた人


医局に属さない働き方をするアラサー女医。医局を辞めたい若手医師のサポートを100件以上行ってきました!
この経験を活かして【医局の辞め方・バイトの始め方】をお伝えしていきます。
ほとんどの医師が麻酔科研修をする
全国ほぼ全ての病院で麻酔科の研修があります。



初期研修ローテートでも救急12週(うち麻酔科4週)は必須となっているよ!
麻酔科では挿管・換気からルート確保やバイタル管理までたくさんのことが学べます。
でも『ほとんど国試に出なかったし全然知識ないんだけど…』ってなってませんか?



何から始めれば良いの…
そんな人でも学びやすいようにおすすめの参考書を紹介します!
基礎編
1.麻酔科研修チェックノート
言わずと知れた超超超有名な麻酔科研修チェックノート。
初めの1冊ならこれでしょう!
基礎の基礎から教えてくれる上に、イラストや写真も充実しているので初心者にも使いやすいです。



わかりやすいからオペ看さんにも貸してって言われたよ
麻酔科ローテ期間だけでも十分な役割を発揮しますので、とりあえず1冊買うなら間違いなくこれですね!
2.やさしくわかる!麻酔科研修
麻酔科研修チェックノートと同じくらいおすすめなのがこのやさしくわかる麻酔科研修です。
麻酔科をまわる時って『機械とか器具とか薬とか作用とか…覚えること多すぎいいぃ…』ってなりませんか?



頭パンクしちゃうね
そんな時におすすめなのがこの本です!
とりあえず麻酔の流れとか、気をつけることとかを一気に学べます。
内容的にも易しいので“ひとまず流れを理解したい!”という人にはもってこいです。
3.要点だけ最速でわかる麻酔科研修
初めての麻酔科研修で右も左もわからないならこの本がおすすめ。
麻酔科研修に必須の知識を凝縮して載せているので「ここだけ押さえておけばOK」というポイントを最速で理解できます。なぜセボフルランを使うのか?デスフルランではダメなのか?それともプロポフォールにした方がいいのか?どんな人にはどの麻酔を選べばいいの?といった今更聞きにくいような質問もすぐに解決できます。
オペ着のポケットに入る大きさなのも推しポイントです◎
もう少し深く学びたい場合
4.麻酔科研修ノート
先ほどまでの3冊は”初心者に端的に解説”って感じのイメージに対して、この本は”なんでそうなるのかも含めて深く解説”というイメージです。
『ひとまず流れはわかったけれどどうしてこの薬を投与するの?』とか『どのタイミングで投与するのが良いの?』など、もう一段階掘り下げて学びたい人におすすめです。
特に麻酔科志望や麻酔科を考えている人、外科系を意識している人は持っておいて損しません!
5.MGH麻酔の手引
周術期管理や術後疼痛など全般的に詳しく学べます。
どの科の麻酔を担当するにも、体系立てて学びたい人におすすめの1冊です。
より深い内容なので表面上の知識というよりは今ある知識をアップデートしたり、普段の麻酔を見直すのに最適な内容です。
少し値は張りますが臨床研修が終わっても長期的に使えるのでコストパフォーマンスを考えたら十分でしょう。



継続使用性が高いのは良いね!
6.麻酔への知的アプローチ
こちらもかなり有名な本ですね。
2024年6月に第12版が出版されたので最新の内容になっています。
新しい薬の使用法や術前・術後管理における変化など詳しい解説があり、他の参考書と比べてロボット手術や緊急帝王切開麻酔、人工呼吸関連肺障害まで書かれています。
今までの麻酔だけでなくこれからの麻酔を担う人には持っていて損しません。
各論編
7.産科麻酔ポケットマニュアル
ポケットマニュアルシリーズはコンパクトで持ち運べるのに内容は充実しています。
基本的な帝王切開の麻酔から無痛分娩までさらっと学べ、実践に役立つ1冊となっています。
産科救急も網羅されているので緊急手術時にも対応できますよ。
産科救急は麻酔科で対応する緊急手術の中でも相当急ぐ手術ですから欠かさず学んでおきましょう!
8.小児麻酔ポケットマニュアル
専門医資格に小児麻酔件数も必須となっているので小児麻酔を学ぶ人も増えています。
同じくポケットマニュアルシリーズは小児麻酔全般をさらっと学べるので、小児領域を学ぶ時には1冊持っておきましょう。
意外と小児心臓麻酔のことも書かれているのでコンパクトだからといって侮れません。
9.臨床小児麻酔ハンドブック
ポケットマニュアルの1ステップ上の参考書がこちらの臨床小児ハンドブックです。
ポケットマニュアルが実践向きなのに対し、小児臨床ハンドブックは使う器具や薬の作用機序、使用理由まで解説してあります。
小児麻酔分野を学ぶときの疑問解決に役立つのでぜひ揃えましょう。
10.心臓麻酔ポケットマニュアル
心臓麻酔のポケットマニュアルシリーズです。
心臓麻酔に苦手意識のある方も多いともいますが、このマニュアルで”とりあえず心臓麻酔でやること”を学びましょう。
疑問解決というよりは”実際に手術でやらなきゃいけないことを把握する!”という目的で読むのが良いです。
11.心臓麻酔デビュー
参考書というより読み物に近いのが心臓麻酔デビューです。
心臓麻酔ってどんなことするの?なんで心臓を止めるの?など素朴な疑問(どちらかというと初歩的で周りに聞きにくいような質問)も解決できます。
コラムみたいにすぐ読めるので、心臓麻酔をかけるまでに一読しておきましょう!



すぐ読み終わるよ!
12.心臓手術の実際
心臓手術の手順から実際に麻酔科医に求められることまで体系立てて学べるのがこの本です。
先に紹介した2つより詳しい内容になっているので学問として学びたい場合におすすめです。
心臓麻酔をやり始めたけど疑問が湧いたり問題解決をしたいのであればこの本を開きましょう。
13.初心者から研修医のための経食道心エコー
心臓麻酔に苦手意識のある人の中には経食道心エコーがよくわからないという人が多いのではないでしょうか。
『エコー出しても何見てんのか全くわからんw』みたいな人にも丁寧に解説してくれるのがこの本です。



図解も丁寧なのでめちゃくちゃわかりやすいよ!
▼ちなみにⅡもあるので、もっとクオリティ高くエコー評価したい人はⅡまで読み解くのがおすすめです。
14.手術のための神経ブロック
神経ブロックについてビジュアルでわかりやすく解説されている1冊です。
神経ブロックってエコーを見ていても正直よくわからないしどこに注入しているのか理解しきれていない時もありませんか?そんなお悩みにも応えてくれる参考書です!
視覚的に理解できるように解説されているので区域麻酔領域をやるなら持っておきましょう。
まとめ
以上、麻酔科領域でおすすめの参考書でした。
厳選して載せたのでここに掲載していない本ももちろんあります。
ただ、初めてローテートしたり専攻医になって買い足したい時にはかなりおすすめの本たちばかりなので一度手に取ってみてください。
有意義な麻酔科研修や麻酔科業務ができる手助けになれば幸いです。
救急外来でおすすめの本一覧も参考にどうぞ。





























